第2章 賢者の石
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ホグワーツの中をさっさと歩き。クィレルの部屋に向かう。
セブルスにカウンセリングだと言って出て来たのもあながち間違いではない
奴に気付かれない様にテスト作成の手伝いと称して筆談でどうヴォルデモートを剥がすか
命を食われ過ぎない様に札を渡して・・・
やっぱ試験後の最終決戦でしか思いつかないんだよねーあいつも目覚めるし。
コンコンとクィレルの部屋のドアをノックするとおどおどしながら扉を開け
俺だと分かると明らかな安堵の笑みを見せる
『クィレル、テスト制作の手伝いに来たぜ』
『た、た、助かります、もうすぐで、お、終わりそうなのですが、な、なかなか』
『もうすぐで終わる』それはヴォルデモートが賢者の石を欲してる
という事は時期的に今回が最後の会議だな。
やーね、これだからせっかちなジジイは。
机にお互いに向き合い、ノートとペンを出し筆談を始める
「体調はどうだ?」
「昭久様の下さる札のお陰か、随分と楽になりました」
「"奴"にユニコーンの血を呑めとは言われてないか?」
「言われかけましたが、闇の帝王も札のお陰か力が付いてる様で。言われなくなりました」
「悪いが時期的に今回がラストだ、そろそろ奴も気づくだろう」
ラスト。その言葉にクィレルの顔が強張る。
「大丈夫だ、必要な札は用意してある。賢者の石を取りに行く時。俺の不意をついて眠らせて連れてけ」
「そんな、昭久様に乱暴な事を」
「気にすんな。共に行く覚悟はできてる。その時奴をお前から剥がす、いいな?」
「・・・分かりました、貴方を信じます」
簡単な、短いやり取りだったけど。
クィレルは頭を下げて
『あ、ありがとうございました。昭久教授』
『おう、また何かあったら手伝うな』
大量の札を、説明書きと共に渡し。1つのお守りも渡すと目をぱちくりさせて
「これは?」
「当日になってからのお楽しみ」
にっと笑うと、安心したのか軽く溜め息を吐いて。
クィレルの部屋を後にした。
お守りは呪い避けと身代わりのヒトガタだよん。
ユニコーンとあのジジイから命を吸われもし何かあったら身代わりになる様に・・・
・・・うん、あのね。クィレルの部屋から出たの良いけど
黒ずくめの般若が仁王立ちして居る様に見えるのは気のせいかな?