第2章 賢者の石
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翌日、ハリーに叩き起こされて。
眠い目を擦り、寝巻の浴衣のままポッター家のリビングへ行ったら
『おう、もうハーマイオニーもロンも起きてたのか』
『ええ、昭久先生のプレゼントの山、大変よ?』
『え?』
3人が指さす先にはツリーが埋まるんじゃないかって位の山。
『何、全部俺の?』
『うん、昭久凄いね』
ハリーの頭をぐりぐり撫でながら山に近づいて、1つ箱を取ろうと思ったら
急に出て来た鴉に制された。
『悪い気配も混ざっております故、仕分けだけ私が致します』
『ん、頼んだ』
鴉の横に座り、まだ眠い頭でぼーっと眺めてたら。
シリウスとリーマスに背中を叩かれ、頭を撫でられる
『ってーな、シリウス』
『目が覚めるかと思ってよ』
『あれ?セブルスは?』
『昨日のうちにホグワーツに戻ったよ』
鴉が最後の1箱を仕分け終わったあと、1割くらいが悪いものだと言い放った
『昭久に悪意のある魔法が掛かってるプレゼントだって?』
『へえ、見ても良い?』
『どーぞ』
シリウスとリーマスが何かの手袋を嵌めて箱の山を漁る
あんたら楽しそうだな、子供か!
『何だこりゃ』
『黒い日記?でも変な感じはしないよね』
『は!?』
2人の声にまさかと思って覗き込んでみたら。何でこんなとこにあるのん?
リドルの日記。
『わり、その日記だけ貰っておく』
『主』
『大丈夫だ、これは』
2人から日記を受け取って中をペラペラと軽くめくると
ずっと白紙のページに、奴の名前の書いた・・・まごう事無き例の日記。
『鴉よぉ、これが悪いモノだったのか?』
『ええ、意思のある様な感じが致しました』
悪戯っ子の様にニィと笑った俺は、これは使えると思って
『いいもん手に入れた』
『何か分かったのか?』
『ヴォルデモートの分霊箱』
奴の名前を言った途端、俺達以外の皆が青褪める。
魔法族にしたらそんなに脅威なのかね。