第2章 賢者の石
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マルフォイ家のクリスマスパーティー、突然現れた美男美女。
衣装は民族衣装だろうかやって来た2人に会場に居た者は全員見惚れ息を呑んだ。
その2人はまっすぐ当主のルシウス・マルフォイに近づき
『この度はお呼び頂き恐悦至極、安倍昭久参りました』
安倍昭久、その名前に誰もが驚いた。
11年前、僅か8歳にして闇の帝王を葬った子供の名。
そうか、この者が、と感動する者。殺意を抱く者。畏怖する視線に
昭久は伏せていた目を開く。
紅い紅い、闇の帝王と同じ紅い瞳
ルシウスはその目に、恐怖を抱いた。
『・・・よく来て下さいましたな、流石闇の帝王を葬った者。私達とは格が違う』
『えっ』
ルシウスの横で、俺を見下して居たドラコが俺の正体に気付き青褪める。
その様子にルシウスは疑問を抱き、直ぐ俺に質問をしてきた
『昭久殿にお聞きしたい、息子は貴方の授業に出席していますかな?』
紅い目を細めてニイと笑い
『いいえ?来ていませんよ?初めて会った時はですねー・・・ハウスエルフの真似事かと見下されましたな。いやあ、流石マルフォイ家のご長男・・・元気が良い事で』
こういう時は仄めかせって?ヤダね。俺は俺の道を行くんだい。
隣に居る母もその言葉を聞き、坊やを睨みつける、母さん頼むから暴れないでね。
ルシウス氏は横に居る青褪めたドラコを一視し。
『妻に会ってやって下さい、日本の着物に興味があるみたいで』
『まあ、それは嬉しい。妾の着物も是非着て欲しいものですわ』
『ありがとうございます』
ナルシッサさんの所へ案内され、俺が会場を出た後
招待されて来ていた者は恐れや歓喜、色々な感情に包まれていた。
『すげー注目されて俺様ドッキドキでした☆』
『馬鹿か貴様は!敵を作る様な真似をしてどうする』
所変わってここはリリーさん宅なう。母さんは疲れたとか言って帰っちゃったから俺1人で帰ってきました。
『すげーな昭久、あのマルフォイのオッサン手籠めにしてら』
『相変わらずだね』
『む、シリウス。何か誤解を招くよ色々。少しはリーマスを見習えよ!』
『俺に落ち着け、だの、早く結婚しろーは勘弁してくれよ』
リリーさんとジェームズさんは笑いながら料理を運んで来て
『もう、昭久は頼りになるわね』
『いっそ君が魔法大臣になったら良いと思わない?』
『やだよ面倒臭い』