第2章 賢者の石
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ふと、紙の擦れる音で意識が浮上した。
うっすらと目を開けて見ると俺の部屋でセブルスが新聞読んで舌打ちしている。
「・・・どしたん?」
「起きたのか、もう少しで夕食だぞ」
眠い目を擦り、無言で渡された新聞を開いて読むと
「あー、賢者の石か。あのジジイ動き出したんだな」
「お前は何でも知ってるな・・・」
ぐっと伸びをして。あー背中バキバキ言ってら。
布団を畳んで装束の皺を取る
メシだメシ!
「体調はいいのか?」
「仮眠したしオッケー」
ドアノブの部分に手を当てて
『さ、行くか』
『ああ』
教員席側の裏口から入ったらミネルバが心配そうに声を掛けて来た
『昭久、大怪我をしたんですって?』
『ん?もうセブルスに薬貰って治ったよ?』
『そうでしたか』
あ、そうか。魔法薬学の授業が始まってから俺、誰にも会わなかったからな。
『心配かけてごめんな』
『貴方も、身体には気を付けなさい』
だからミネルバは俺のかーちゃんか。
席に座ってはぁ~っと溜め息を吐くと
『お前も大変だな』と・・・頭ポンポンするな。背が縮む。
『やって来ました俺の授業日!!』
『元気だな』
三十路の身体で毎日大変だねえと言ったら拳飛んできたから避けてやった
『俺!まだ花の10代!!』
『威張るな!』
ぎゃいぎゃいと廊下でも言い合ってたらあれ?セブも来るの?
『言っておくが教師全員参加予定だからな』
『マジ?』
わお、化粧しとけばよかった・・・じゃなく、何でまた。
『お前・・・僅か8つで闇の帝王を唯一倒した陰陽師だと自覚してないな?』
『若作りの連続殺人犯を倒したらこうも注目されるのか』
『・・・』
ちょ、頭が残念な子みたいな目で見るな。セブルスよ