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妖狐の灯火

第5章 番外編


2017ハロウィン:安倍昭久

「うお!?」

ノクターンで買い物をしているとパシャリ、と。何か液体をぶっかけられた。しかも酷い臭い。これ香水か?
足元にカラリと音を立てて転がっている、まだ中身の入ってる瓶に視線を落として拾い上げるが何かの呪いのアイテムだというのは分かった。
これだからノクターンは治安わりぃな。

闇の陣営関係の馬鹿に因縁つけられたかなと鼻を摘まんだまま、周囲を見れば誰も居ない。ああ、うん、俺に喧嘩吹っ掛けた馬鹿に気付いて全員逃げたクチか。

「昭久どうした」
「セブ」
「酷い臭いだな、香水か?」
「多分呪いのアイテム…うえっ、臭い」

何の呪いの効果があるのか、調べなきゃなと瓶の中身を見つめていれば。瓶の硝子越しに何かが見える。
じっと、それを見つめていれば蠢く影は一歩、また一歩と近づいて来て姿を成して行く。

「どうした?」
「セブ、そいつ…」
「? 何か見えるのか?」

セブには見えてないのか。グルグルと唸りながら近づくそいつは真っ黒で、大きな狼の様な…犬の様な姿をしていて。

「グリム」

思わず口にしていた瞬間、首根っこを誰かに掴まれバチンと聞こえた音とぐらりと歪む視界
次に目の焦点を合わせるとノクターンではなくどこかの山奥?と思考が動いた途端
首根っこを掴んでた人物に思い切り川に投げ込まれた。ひでえ。

『馬鹿昭久!!さっさと臭いを落としなよ!』
「ぶはっ!リドだったか、げほっ」
『この香水は持ってたり着けたりするだけで呪われるんだ』
「うあー、臭いなかなか落ちねえ。なに、これ知ってるの?」
『昔僕が作ったものだからね』
「手前が犯人かよ」
『言っておくけど昭久にソレかけたのは僕じゃないからね』
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