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妖狐の灯火

第5章 番外編


クリスマス

ヴォルデモートを倒したその年
セブルスが俺の家に居候する事になって。
何だかこの生で兄貴が出来たみたいだ!と

『・・・』

ちょこちょこ

『・・・・・・』

ちょこちょこちょこガッ・・・べしょ。

ふおおお!セブルスに着いて歩いてたら何かつまづいた!痛い!
小さい身体は不便だな、セブルスの長い脚の動きに着いてこうとしたら駆け足なんだもん。

『・・・何をやってるんだお前は』

不意にひょいと抱き上げられて視線が合う

『おおーう、でっかい。セブルスが何か兄貴みたいで嬉しくてさー』
『・・・』

何か考える様に視線をさ迷わせるセブルスに

『馬鹿を言ってないで寝ろ。明日はクリスマスだ』

ぼふんと落とされた所は自分のベッドで。
おお、いつの間に移動してたんだ。早い

ぼすぼすと不器用に撫でられて、部屋の明かりを消されたので
優しいとこあるじゃん。
明日のクリスマスに備えて眠る。

『・・・久や、昭久や、起きや?』
「む、かあさん?」

朝か?明け方か。あれ、珍しいな
母さんが家に居るなんて
セブルスが来てから顔出さなくなったと思ったのに。

ふと自分の周辺を見て驚いた。
ここ、俺の部屋じゃない
母さんの世界だ。

豪華な装飾品で彩られた家具や美しい寝具に横になり
俺を抱えて母さんが笑ってて

「どうしたの?最近家に来ないね」
『妾は少しあの男を見極めねばと思うてのう』

セブルスを?今はまだ落ち着いてないけど
優しい人なのに

「親父に拗ねられるよ」
『心配は無用、原久は理解のある夫じゃ』

ラブラブですね、と思いつつ

「そういや俺に何か用?まだねむいよ」
『よしよし、昭久に贈り物があってのう』

付きの狐を手招きして持って来させたのは
和風の、金の装飾が施された漆塗りの箱。

俺に持たせると、開けなさいと促されて。

「ん?正装?狩衣?」

でもこれ今の俺じゃ着れないデカさなんだけど

『いずれ大きくなって役立つ日が来るであろ』
「ん、ありがとうね。母さん」
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