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妖狐の灯火

第4章 アズカバンの囚人


『俺ってば修行が終わって、セブの部屋に戻ってから1週間も寝てたんか』
『死んだ様に眠ってると心配して飛び込んできたお兄さん達がおったぞい?』
『誰が来てたか想像つくからほんとアイツらェ……』
『皆昭久が心配なんじゃよ』

ふぉっふぉっふぉとバルタン笑いで茶化すアルバスに半ばイラッとしていると、ジジイの首に掛けてる物に気付いて苦笑いを零す。

『アルバス』
『何かね?』
『去年あげたソレ。着けてくれてたのか…』

呆れた様に言えばこてりと一瞬何か分からなかったのだろう。首を傾げられたけど直ぐに思い至ったのか首に掛けてる白いロザリオを手で掬う。
孫からのプレゼントじゃからのと目元に深い皺を作り微笑むアルバスを見て
ちょっとロザリオ貸してと手を出せば、何だね?と言いつつ首から外して俺の掌に乗せる。

能力上がってるからもっと強固なのに上書きできるべとロザリオを握って念じれば、白かったロザリオは銀色に光り輝いた。

『色が変化したのう』
『去年より強い術を掛けたんだけど変質しちゃったなあ、色変わっちゃった』

強い力を使いこなす事もせんとな。色々調整が必要だと思いながらロザリオを見つめていれば
アルバスが嬉しそうにそれを掬いあげて自分の首に掛ける。

『銀でも大丈夫?』
『昭久のくれた物は何でも大事に持っておるよ。綺麗じゃのう……』
『う…チビの時にあげた未熟な札とか…?』
『勿論』
『捨ててぇぇ!?』

こちらでの俺の黒歴史だわそれ。羞恥で真っ赤になってジタバタしてたら迎えに来たリドに呆れられたけど
明日からテストなんだから準備しろと引き摺られて自室に戻されました。
リドお前ほんとカーチャンか。
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