第4章 アズカバンの囚人
今となったら記憶が凄い曖昧になってるしボケたんじゃなかろうかと思ったわぁ。怖い!
大丈夫か?と声を掛けてくるセブが何か気持ち悪いくらい優しくてそっちも怖いと言えば拳が飛んできたけど
サラリとかわせば舌打ちが聞こえたので通常の兄貴だったわ。
「セブセブ、俺これからどうしたらいいのん?」
「今日は何月何日か把握しているかね?」
「多分明日が6月1日」
「……宜しい」
と言う事は試験前か。学年末試験の他に5年生はO.W.L試験で7年生はN.E.W.T試験
俺も受けたなあとしみじみと思い出せば急にどうしたんだと心配されたけど。いや、何か今年は騒がしかったけど平和だったよな。
校長に報告でもしてくるかと立ち上がれば、外から物凄い勢いで近付く気配に目を見開く。
ここセブの部屋なんだけどその入口の扉を破壊しそうな勢いで飛び込んで来たのは人型の白凱を連れたレギュラスで
「昭久君!!無事で良かった!!!!」
「ぐえっ!?」
拝啓、多分日本に居るお母様。
兄貴達の過保護が自重しなくなったのは気の所為でしょうか。
俺一人っ子の筈なのに扱いがもう末弟ですよね。
はいはい、レギュ落ち着いてと抱き着いてるレギュラスの背中をべしべし叩けば。しょんぼりした顔で謝りながら正面に用意された椅子に座って一呼吸。
「ちょっとアルバスの所に顔出して来るわ」
『ああ、報告?』
「ん」
一応出てきたぞって言っておかないと。親父達がもう言ってるだろうけど顔を見せないとしつこいから…孫か?俺は。
ほてほてと、真新しい狩衣を纏って廊下を歩けばミセスノリスを見つけて抱き上げそのまま歩く。
もふもふしながら管理人室に向かえばフィルチにも心配されるからおかしいなとは思ってたんだよね。