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妖狐の灯火

第4章 アズカバンの囚人


19

「ああ、あの時…そっか」

俺の術が失敗した訳じゃないんだ。
もしかしたらドラコの傍に居て俺とリドの追跡から逃れてたのかもしれない。
全部推測だけど、十分あり得る話で、ああもう俺って馬鹿。

『勘鈍った?』
「うん…思ったより、実戦の勘が鈍ってるかも」

ここ数年、ホグワーツに何の事件も起こらない様に手を回し続け
去年の過去渡りで体力大幅に落ちたから不安ではあったんだよなあ…
セブと早朝に組手してるけどそれだけじゃ戻るわけ無いし。これは親父か母さんのスパルタ受けてでも取り戻していかなきゃならん。

かと言って、全力出したら周囲に被害が及ぶし、どうしようかとうんうん唸ってたら部屋に親父とルシウスが入って来て。
親父に盛大に笑われた。急になんだよ!

「お前でも失敗するんだなぁ」
「俺は万能じゃないからねぇ」
「で、どうする?」

どうするって聞くけど、親父はもう俺の身体の事知ってるでしょうが。勘が鈍った事も。
嫌味な親父め、と殺気を込めて半目で睨めば俺の目の赤に一瞬だけルシウスの肩が跳ねる。

『昭久殿?』
『あ、ごめん。殺気込めてた』
『ルシウスも死喰い人だっただけあるな。昭久の殺気は常人じゃ倒れるレベルだぞ』
『はあ…』

親父ってそうやって俺を褒める時あるけど、親父には勝てたこと無いんだよね
流石母さんの旦那なだけあるわ、若い頃より強くなってるだろうし

それじゃあ行くか、と言って親父が立ち上がって。ん?どこ行くの?

「ピーターはきっとここから逃げただろうよ、成らば夏休みまでの間お前の戦闘訓練を見ようと思う」
「は?授業は?」
「合間に行けばいいだろうが」
「ごっふ、兼用…」
『…昭久も大変だね』
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