• テキストサイズ

妖狐の灯火

第4章 アズカバンの囚人


18

そう言えば原作ではこの時期にセブがリーマスの代理でDADA出るんだっけな。うちのセブはそんな事しないできっと俺の部屋で茶ァしばいてると思うけど。
ぼんやりとそう思いながら、目の前でグロッキーにベッドに沈んでるリーマスの背中を擦れば弱々しくお礼が返ってきた。

『昭久ごめんよ』
『そう思うならさっさと体調戻せよ』
『うん、前よりは楽になってるんだけどね、こうやって会って会話できてるし』
『前はできなかったの?』
『面会謝絶だったね』

苦労してるなあ、べしべしとリーマスの頭を撫でれば困った様に、セブルスに申し訳ない事してるなと笑うけどセブは何も思ってませんよ?大丈夫。
リーマスの代わりにシリウスが授業に出てるんだけど。意外と先生らしく授業してるみたいだとレギュラスから聞いた。

リーマスへのお見舞いを終わらせて、部屋に向かってるとふと何かに見られてる様な感覚を覚えて振り返る。

誰も居ない。まだ昼頃の明るさの校舎はそれでなくても不気味なのに。

こんな事なら白凱を腕に巻きつけておくんだったよ。鴉は俺の部屋だし。

足早に、見回りを兼ねて遠回りしてから自室に戻れば、少し息を切らせた俺にセブとレギュが顔を上げた。
ってまた俺の部屋で寛いでんのかい。

「何があった?昭久」
「わかんね、視線を感じてちょっと遠回りして戻ってきた」
「まさかピーターですか?」

部屋の入り口で立ってる俺の頭を寄せて、セブが部屋の外に視線を巡らせる。
途中でまいたと思ったんだけどセブとレギュに何かあっても困るし、そう思っていれば背中に衝撃を食らってセブの胸にダイブするはめになった。リドてめえ何やってやがる。

『昭久無事?何か小男見つけて捕まえようとしたんだけど一瞬で逃げられてさ』
「親父は?」
『ダンブルドアのお使いでどこか行ったみたいだけど』
「居ないんかい」

胸元から紙を取り出して、小筆でピーターの名前をぐりぐり。凧の形に折って息を吹きかけると部屋の外に飛んで行ったのでリドの手首を掴んで駆ける

「昭久!?」
「ちょっとリドと行ってくる!」
『わっ、待ってってば』
/ 185ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp