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妖狐の灯火

第4章 アズカバンの囚人


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11月に差し掛かろうと言う季節になりました。...うっぷ。

「毎年恒例だな」
「この匂い。毎年居てもブランクあるから慣れねえわ」

かと言って毎日嗅ぎたい匂いでもないし、南瓜はアカンわ。濃いぃもん。
甘ったるい香りに半ば鼻が麻痺してるけど、こっちも用意しなきゃならないので簡単にクッキー作って懐に入れた。

「お前も律儀に用意するから、生徒に突撃されるのだぞ」
「生徒が可愛いから無下にできないだけだっつの。セブも見習え」
「因みに本日のコスプレは?」
「コスプレ...まあ、似たようなものか」

外面は黒、内側は赤いマントを摘まんで、にっと笑って八重歯を見せるとアホの子見る様な目をすんな。万年蝙蝠男

「吸血鬼か」
「前もやってるなとか、見飽きたって言うなよ?」
「定番」
「おう、兄貴ちょっと顔貸せ」

ファインティングポーズしてセブの肩をポスポスと殴ってたらガシッと顔面掴まれた
痛い痛い。この魔法使いにあるまじき筋肉どこで付けてるんだろう。筆圧?筆圧なのか?

ぎゃあぎゃあと騒いでいると俺の部屋の奥から、吸血鬼の衣装を纏った
美しい白髪の、睫毛まで白い。長身の美形がこちらを覗き。何やってるのだと顔を顰める

『セブルスよ、主に何を?』
「お前、白凱か」

ただの兄弟喧嘩だと言い放つセブに白凱納得しちゃったよ。
こめかみに親指と小指決まってて痛いの助けてー

ぱっと手を離されて後ろに転がりそうなのを鴉に止められた。

『無事ですか?』
「鴉さんきゅ」
「全く、遊んでないで教員席に向かうぞ」
「セブセブ、俺は無実よ」

何かいつものじゃれ合いになったけど、まあいいか
白凱が人型になったら皆驚くよなと思ったら、持ち前の美貌で普通に生徒の視線を集めてました。

『何か悔しい?』
『へえー、この子昭久の蛇だったんだね』
『主に白凱と名付けられた。今後とも宜しゅう』
『おい、何で俺はその白凱に踏みつけられてるんだ?』
『シリウス、ハウス!』
『お呼びじゃないってか!?ああ?』

だって、お兄さんレギュラスにしつこいもんよ。
今のレギュの気苦労の原因が実兄とか色々笑えない。
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