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妖狐の灯火

第4章 アズカバンの囚人


09

昭久の精神世界に入ったリドが見たのは、マグルの・・・日本の交差点?
視界に入った30代くらい?眼鏡を掛けたスーツ姿の真面目そうな男が目に入って・・・

『ねえ、アンタ。昭ひ・・・』

声を掛けようとしたら昭久らしき人物が消えた。
いや、消えたんじゃない、信号無視してきたトラックに轢かれたんだ

運転手の悲鳴と通行人の悲鳴、救急車を呼べ。と叫ぶ声に
被害者を写そうとする野次馬。

周囲には僕の姿は見えない様だから人混みをすり抜け
撥ねられたであろう昭久の元に行こうとトラックの前に出た瞬間

痛い、苦しい、助けて、怖い、痛い痛い痛い・・・痛い

『っつう・・・』

昭久であろう青年の姿が目に飛び込んだ瞬間。
多分これ昭久の無意識な心の叫び

弱り死に向かって行く昭久の顔を両手で支えて、目を合わせようと顔を動かす
精神で繋がってるだけだから昭久に声が届くか分からない

『昭久っ、目を開けなよ』

いや、開いてはいるんだ。虚ろになって行く瞳に何とか目を合わせると
少し目が開いて・・・反応した?

「リ・・・ド・・・?」
『やっと気付いた?馬鹿。こんな過去の夢を見てないで起きなよ』
「起き・・・る?」

まだ半分夢に囚われてる昭久の頭を抱えて、コツンと額を合わせて呼ぶ

『ホグワーツ教員の安倍昭久!!ヴォルデモートを倒した英雄!!今は列車の中だ!もう直ぐ学校に着くよ』

お願い、昭久・・・
名を呼ぶ声がだんだん小さくなって昭久と、自分を呼ぶこの青年は・・・
黒い髪に、真っ赤な瞳。

自分はさっきリドと・・・

『ホグワーツにセブルス居るからしこたま不味い薬を飲まされるの覚悟しなよ』
「ちょ、それ勘弁!!」

がばりと目を開き起き上った昭久は呼吸を乱し
目の前に居る家族を見やる

「・・・リド?」

冷や汗をだらだらかいてる昭久に魔法を掛けて清め

『寝坊助、やっと起きた?はい、チョコレート早く食べて』
「むぐっ!?ひょ、むぐむぐ」

口にルーピンから貰ったチョコを詰め込まれてやっと事態を把握した。
自分は意識を失っていたのだと

「もぐもぐ・・・ごくん」
『スッキリした?』
「いや、うん、何か世話掛けてごめん」

全く、とぷりぷり怒るリドに頭を下げて、吸魂鬼は?と聞くと
リドが1人で追い払ったそうで

あらま、俺役立たずだ。と凹む昭久に。こっそりリドは微笑んだ。
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