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妖狐の灯火

第3章 秘密の部屋


33

セブルスは昭久が姿を現さなくなってから毎日の様に
弟の、昭久の部屋の前に行ってはドアが開かないかぐっと引いてみる
毎日、自分を拒むかのように閉じていた昭久の部屋

この日はいつもと違い、キィと音を立てて扉が開き、目を見開いた。

「…昭久?」

今まで自分を拒むかのように閉じていた部屋には明らかに何かの術を使用していた痕跡が見つかり訝し気に部屋中を見渡しても気配も何も無い

今まで自分を拒んでいた部屋で、唯一昭久に接触できる者は1人しか居ない。
昭久の父、現安倍家当主の原久殿

昭久を何処かへ連れ出したのか?
思い当たるのは安倍家の本家しかない、だが何故今頃?

カツカツと足音が響く夜の中、ホグズミートまで歩いてから
バチンと音を立てて日本まで向かった。

自宅に戻って、暫く日本でリハビリだってさー
レグ兄ちゃんもといレギュラスも本家に着いてきて俺の手伝いするって

「別にレギュラスの手、借りなくてもいいのに」
「何言ってるんです、貴方も原久様も死喰い人にとって攻撃の対象なんですよ?大人しく僕を使って下さい」
「はーい…」
「それと」

何となく言いにくそうに俺を見ながら

「昭久君が過去から戻って来たら兄に会わせるって約束したじゃありませんか」

恥ずかしそうに、そう呟くレギュラスに安心して
良かった、兄弟の亀裂は無いんだな。

分かった、早く治すと約束して歩行訓練に入ってたら。

「よう、セブルス」
「原久殿!やはり此所に居ましたか」

は?セブ何で此所に帰ってきてんの!?

「昭久はどこです?」
「まあ、色々説明するからこっちこい」

俺ちょっと動揺しとります、やべえ見つかったら間違いなくブッ飛ばされる。

「おや、スネイプ先輩に気付かれた様ですね」
「やべえ、逃げねばってちょ、レギュラス!?」

ひょいっとレギュラスに抱き抱えられて
向かうのはセブルスの居る方向。

「はいはい、ここはもろっと吐いた方が怒られないと思いますよ」

俺が顔真っ青になってるってのに楽しそうに

「お久し振りですね、スネイプ先輩」
「は?!な、レギュラス!?」

お前は、死んだのでは無かったのか?
驚いて固まってるセブは俺を見て何かを悟ったかの様に

「お前、何をした?こんなにやつれてまで…」

セブが、泣きそうな顔で俺の頬や頭を撫で
過去に飛んでた事を吐かざるをえなかった
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