第3章 秘密の部屋
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何か・・・
『昭久さん、今日もお話いいですか?』
レギュラスに懐かれたっぽい?
『昭久さん、仲の良い先輩を紹介したいのですが』
何だこのワンコは、かいぐり回していいか?
『仲の良い先輩?』
『はい!昭久さんの術の話しに凄く興味を持ってたんですよ』
『まあ、俺最近、悪戯仕掛人シメてばっかりだからな』
『皆言わないけれど、昭久さんに感謝してるんですよ?悪戯されなくなったって』
この前原久先生に悪戯しようとして昭久さんみたく手酷く返り討ちにしてたんですよ
そう言って笑うレギュラスの頭をぐりぐり撫でると
目を細めながら笑う。
何だろう、弟ってこんな感じなのかな。
ふと不穏な空気を察知してばっと結界を張ると
閃光、魔法が飛んで来た。結界張ってるから跳ね返るんだけどさ。
『『『わああああああ!?』』』
絶叫と共に落ちてきた悪戯仕掛人に何だ何だと眉間に皺を寄せる
『くっそ!お前!俺の弟に何を吹き込んでやがる!』
『何を吹き込んで・・・って、陰陽術だけど』
『っお前!昭久さんに何て口振りを・・・!あてっ』
『こりゃ、レギュラス。兄貴に向かってお前は無いだろ』
全くこの兄弟は。
デコをさするレギュラスは少ししょんぼりして
シリウスは口ぱっかり開けて俺を凝視する
『お前、変な奴だな』
『そりゃどーも』
『おま・・・兄さん!』
レギュラスが俺に怒られたのを気にして兄さん呼びしたのには流石に驚いた。
てかこの子何でこんなに俺に従順なの?
大人のシリウスからは死喰い人になって行方不明って聞いたんだけど。
ぴっと指を横に切ると悪戯仕掛人どもがグリフィンドールの方まで飛んでったのを見て
『何の用?ルシウス・マルフォイ』
『え?ルシウス先輩?』
作り笑いでパチパチと優雅に拍手し、俺に近付くこのデコハゲ。
『いやはや、陰陽術とは実に興味深いものだね』
『そ?こっちの魔術が不便なだけじゃないですか?』
興味無さげに本を読んでると
くっくっくと笑うデコ閣下に顔を顰める。
『何の用ですか?』
『君に会いたいと仰る方がいてな?』
あー、やっと接触してきたかあの厨二病
暇だから別に構わないよ?
そうにーっこり笑う俺の横でレギュラスは顔を蒼白させて俺を見ていた。