第3章 秘密の部屋
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禁じられた森の、少し空けた日の当たる所で目が覚めた
ああ、そういや過去に飛んだんだっけな。
母さんから貰った狩衣は着てるな
親父から受け取った数珠もある
特に忘れ物は無いっぽい。
『昭久様、何とも無いですか?』
『人間が来る、主よ、何も無い事を願う』
鴉と大蛇がそう言って俺のなかに入って行った
さあて、若い頃の親父とアルバスか
気配を感じるって事は此方を伺ってるな?
どうしたもんかと考えたけど
接触してみないと判らんよなぁ
『そこに居るの誰?』
たずねた瞬間に魔法か術か、飛んで来たので
クリスマスの時に貰った刀で弾いたら
これ親父だな?
札と術が飛んできたので再び弾いて、踏み込んで気配の方に飛ぶと
男が1人と、アルバスも居たか俺の目を見て驚く
『てめえ、何者だ』
『原久、落ち着くんじゃ』
親父こええよ!何この狂犬みたいな人!
今の俺の親父からかなりかけ離れてるんだけど!
『せっかく未来から来たのに、良いご挨拶だね安倍原久さん?』
『なっ』
『未来からとな?』
ふと若い原久が俺の手首についてる数珠を見て目を見開く
『それ、俺の数珠か』
『そ、未来のアンタに持っていけって渡されたの』
『ふむ、原久落ち着くんじゃ。この子は嘘は言っておらぬ』
『けっどーだか!妖力プンプン撒き散らした物ばっかり身に付けやがって』
むかっ、アンタが着て行けって言ったもんだぞー?
『名前を聞いても?』
『安倍昭久、そこの狂犬みたいな人の息子ですよ』
オホホホと笑って
『いやー、若い頃ブイブイ言わせてたって聞いてたからどんなもんかと思ってたんだよねー』と指差してやったら。
原久が真っ青になって
『はあああああああ!?』
うんうん、思いきり混乱した絶叫を頂きました
あら、アルバスも固まってら。
とりあえず
『どうすっかこの空気』
自分で掻き回したけれど打開策がおもいつきましぇん。
『校長室にでも行く?』
『う、うむ』
『お、おう』
あ、良かった。返事してくれたわ。