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ENCORE

第15章 It’s my fault



茹だるような暑さを誤魔化す通り雨。
鼻をつく雨の匂いが私と彼を捕まえた。

濡れて肌色が透けるシャツが二つ並ぶ。

「何もしねぇ。…寄るか?」

黒髪から滴る雫は首筋を伝い私を誘う。

「期末、近いし風邪ひいたら困る、もんね」

その言葉は私が私を騙す言葉。
彼が指差したのはラブホテル。

鞄二つ分。彼と私の間はたったそれだけ。

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