第11章 Boo
「寝てもうたん?」
いっそ沈み込んで、ひとつになりたいとさえ思うの。
暖かな腕に抱かれて、私は夢を見る。
彼が初めて私の手を握った日を。
彼が初めて私を抱いた日を。
彼が初めて泣いた日を。
「あかんわ!まいかちゃん!かわい子ちゃん!忘れとったわ!起きて!!」
「やぁ…眠たいから今日はシない」
「ちゃうって!太ちゃんそないお盛んちゃうやん!起きてぇな」
「……夜更かしは敵、やで」
きっと明日からまた新しい夢を見るに違いない。
目が覚めて、右側に眠る彼を見て頬が緩んで、そして左手に光るそれを見て嬉しくて、泣いちゃうわ。
「もぉ〜…………明日朝、びっくりしてベッドから転げ落ちたらええねん………お休み、かわい子ちゃん」
_____ねぇ、大好きな太ちゃん。私ね、サプライズってされた事ないの。
_____そらぁええ事聞いた。ほんなら太ちゃんがまいかちゃんの初めて貰ったろ。