第5章 BLOOD SPLASH
「大量に現れた敵を…爆心地たった一人で制圧しています」
「まるで、まるで……大輪の花火の様に敵の血が空に舞っています」
「どちらが敵か、分からなくなっちゃう………」
獣のように吠え、暴れる彼を見て眉根が寄った。
元の彼に戻った事にだろうか、それともこの異様な左薬指が視界に入るからだろうか。
敢えてリカバリーガールを尋ねないのは自らへの戒め。忘れないように。
哀れな男を見捨ててしまった酷い女。その十字架を背負い生きねばならぬと知った。
大輪の花火の様に空に舞う敵の血飛沫。
黒いマスクの下、光る其れは一体何?
夜空に響く咆哮に、身震いをした。
「かっちゃん、綺麗ね」