第21章 ロミオの逆襲
「あの……」
夕飯を済ませ、談話室にいるクラスの皆に声をかけた。
予習があると部屋に篭っている飯田くん以外、皆が揃っていた。
そして飯田くんの名は伏せ、先日の出来事と館内ラジオの話、この感情は何なのか、こういう時にどうすれば良いのか聞いてみた。
「クソくだんねぇ……おいクソデク。てめぇ人の事に首突っ込む余裕あんのかよ」
一番最初に声を上げたのは、かっちゃんだった。
答えに戸惑いズボンの裾を握る事しか出来ない僕を見てか、蛙吹さんが遮る。
「爆豪ちゃん、落ち着いて。いいじゃない、これも人助けよ。ヒーローになる練習とでも思えば!」
「ハッ……俺は人の色呆けの手助けしたくてヒーローになるんじゃねぇわ」
蛙吹さんの声に一度突っかかり、そしてソファに腰を下ろしたかっちゃんは更に言う。
「大体この話し合い、そいつに頼まれたんか?」
「いや、そういう訳じゃないけど……」
「望んどるんか、そいつは」
ふとかっちゃんの言葉を聞いて、確かに軽率だったかもしれないとハッとした。
また口篭る僕に、次は轟くんが口を開く。
「だけど飯田は……あっ……」
「たはー!飯田くんだったかー!」
口を滑らす轟くんを見て、吹き出す麗日さん。そして八百万さんが紅茶を運びながらプリプリと話し出す。
「先程から聞いていましたけど、それは恋、ですわ!私昔、お母様の本棚から恋愛小説を拝借して読みましたの!」
「えー、けど爆豪の言う通り、頼まれてないのにこんな勝手に話進めんの違くない?」
紅茶を皆に渡しながら耳郎さんが言えば、上鳴くんが唸る。
「けどさ〜、確かに爆豪の言い分も分かんだけどさ〜、俺、緑谷が言いてぇことも分かっちまうんだよな〜」
「黙れ!分かってねぇ癖にあほ面が」
今にも上鳴くんに飛び付きそうなかっちゃんを抑え、最後は瀬呂くんが言う。
「飯田にどうしてぇのか聞くのが一番早くね?」