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第19章 パンの耳
「これはいらん感情を捨てる為の意味の無い事や」
そう吐き捨てる様に言って、彼は私をいつも抱く。
「泣くんなら帰りや。ボクゥは全然困らへんし」
そう素っ気なく私の頬を撫で、彼は少し悲しそうな顔をする。
そして私は、彼の背中に腕を回していつも言う。
「それでええよ。だって御堂筋くんは世界に翔くんやもん」
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