• テキストサイズ

【MHA】声を聞かせて

第2章 ようこそ、ハイツアライアンスへ!


『心操と話すのマジ無理。常に操られんのとかないわ。』


 嗚呼、嫌だ。私だって好き好んでこんな個性を持って生まれた訳じゃない。


『よく心操なんかと一緒にいられるよな。』
『別に常に個性使ってる訳じゃないし、良くない?それにさ、琴葉の個性って色々都合いいじゃん?だって、           。』


「…おい、心操。聞いてんのか?」


 生徒が入寮する前に、わざわざ寮の案内をしてくれている相澤先生。昔の事を思い出していた私は全然相澤先生の話を聞いてなかった。


「(すみません、聞いてませんでした。)」


 深い溜息を吐く相澤先生。こうやってわざわざ私なんかの為に時間を割いてくれてるのに申し訳ない。3年間士傑のヒーロー科に通っていたのだから、ヒーロー科の先生が如何に大変なのかはよく知っている。


「俺は不合理な事が嫌いだ。二度も説明はしない。」
「(すみません。)」
「後、喋れって言ったろ?何度もいわせんな。一々それ見んのは面倒くさいんだ。」
「…す、みません。」
「まあ、大まかな業務内容については先日渡した書類に載ってるから確認しとけ。俺は仕事に戻る。」
「…はい。」
「後、生徒の相談に乗れみたいな事書いてたと思うが、お前が相談したくなった時は俺が乗るから話せ。んじゃあ、そういう事だ。」


 そう言うと寮を出て行った相澤先生。その背中をぼーっと眺めた。


「…相澤先生って、よく、わかんない。」


 思わず思っていた事が言葉として出た。私は慌てて口を閉じた。別にここに誰かいる訳じゃないから声を出したって問題はないのだろうけど、こういううっかりが生徒が入寮してから出てしまったら大変だ。私は昔みたいに個性をコントロール出来ないのだから。


/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp