第2章 ようこそ、ハイツアライアンスへ!
「1-A担人の相澤だ。」
そう言って挨拶をしてくれたのは、個性を消す個性を持つという、面接の時の先生だった。彼のせいで個性を発揮出来ず、結果として校長先生に気に入られてしまった。そんな相澤先生を憎まずにいられるだろうか。だが、私も大人。引き篭もりでコミュ障だが、ここは可愛い弟の通う雄英高校。気は乗らないが、弟の顔に泥を塗るような真似はしたくない。ただでさえこの2年半、お母さんやお父さんは勿論の事、弟である人使にも迷惑を掛けてきた。宜しくしたくないが、ノートに宜しくお願いしますと書いてそれを相澤先生に見せた。
「…それ、めんどくせえな。俺にお前の個性は効かねえ。喋れ。」
めんどくさいと言われたが、この2年半、家族とも話さなかった私に取ってはそれが普通で面倒くさくも何ともない。
「(でも、)」
「俺がいいって言ってんだ。」
ノーとは言わせないと言わんばかりのその迫力に負けた私は重たい口を開いた。
「…わかりました。」
慣れない発声に声が震えた。
「俺の個性は見えてる相手にだけ効く。瞬きだとかそういう間は個性使えねえから、あんまり長い言葉は喋るな。後、俺はドライアイだ。話す言葉は完結的、かつ、明確的に話せ。いいな?」
「…はい。」
凄い個性だが色々と制限があるみたいで面倒くさい個性だと思った。まあ、私みたいに制限が無いのも、色々と問題があるとは思うけど。