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【MHA】声を聞かせて

第2章 ようこそ、ハイツアライアンスへ!


 始業開始20分前。1人だけ姿の見せない生徒がいた。まさか初日から寝坊?そう思った私は、念の為マスターキーを持って、上鳴くんの部屋へと上がった。
 ドアをノックするが返事はない。ここで声を掛けれたならば、わざわざ部屋まで入って行かずとも済んだのにだろうけど、喋れない私は声を掛けることが出来ない。ポケットからマスターキーを取り出し、上鳴くんの部屋の鍵を開けた。ギラギラした部屋に一瞬たじろいだ。人使の部屋と全然違う…。ゼブラ柄の布団を被り、気持ち良さそうに寝息をたてる上鳴くん。いくら学校まで徒歩5分とは言え、寝坊だ。気持ち良く寝ている所、起こすのは可哀想とは思いつつも、ベッドで眠る上鳴くんの体を揺らした。けど、起きる気配が無い。仕方無く、携帯のアラームを耳元で鳴らすと、叫び声を上げ、上鳴くんは飛び起きた。


「(上鳴くん、おはよう。勝手に部屋に入ってごめんね。もう皆学校に行っちゃったよ。)」
「げ!マジかよ!?うわ!目覚まし電池切れてんじゃん!琴葉ちゃんありがと!」


 飛び起きると慌ただしく登校準備を始める上鳴くん。私がいるのもお構い無しに着替えを始めてく。部屋に戻ろうと、上鳴くんに呼び止められた。


「琴葉ちゃん。今度一緒に飯とかどう?」


 上鳴くんはその部屋と同じくチャラいらしい。上鳴くんの誘いを首を横に振り断って部屋を出た。
 上鳴くんより5つも年上であり、コミュ障で見た目もこんな私を食事に誘うなんて、上鳴くんも物好きだな…。いや、昨日は切島くんも部屋お披露目大会に誘ってくれたし、親睦を深めようとしてくれてるのかもしれないけど…いい迷惑だ。極力誰とも関わりたくないというスタンスは変わらない。

 暫くすると準備の済んだ上鳴くんが行ってきますと声を掛け、寮を出て行った。


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