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【MHA】声を聞かせて

第2章 ようこそ、ハイツアライアンスへ!


 実家で生活していた時には鳴る事の無かった目覚まし時計の音に起こされ、重たい体を起こした。時刻は6時。引き篭もってた頃じゃ考えられない起床時間だ。ベッドから起き上がり、カーテンも開けず、電気も付けず、真っ暗な部屋でのそのそと着替えを始めた。まだ夏休み中ではあるけれど、今日から授業が始まる。遅刻する生徒が出ないよう務めるのが朝の仕事だ。
 冷蔵庫からゼリー飲料を取り出し、それを飲む。テレビを付けると、数日前にあった神野の悪夢と呼ばれる事件が流れていた。この事件でオールマイトが現役引退となったと知って本当に驚いた。私がヒーローを目指すキッカケであったヒーローだったから尚更だ。まあ、そんなの今はどうでもいいけど。私はもうヒーローを目指していい人間では無いと充分に理解しているから。ヒーローを志し、努力したが、結局私の個性は人を救う為では無く、人を傷付ける為にあった。それを高校3年生の時理解した。だからそれ以降、ヒーローへの憧れは封印した。

 自室を出て共有スペースに行くと、朝食を取ってる子達が元気よく挨拶をしてくれた。皆ちゃんと起きて偉いな、なんて思い乍、それを眺めた。


「琴葉ちゃん、朝食は取られまして?」


 八百万さんの質問に頷くと、寮母さんの朝はお早いんですのね、と言われた。まあ、食べたのは飲料ゼリーだけだけど。
 朝食を取り終えた生徒達から順に元気よく行ってきますと言って、寮を出て行った。

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