第2章 ようこそ、ハイツアライアンスへ!
そうだ、自分の受け持つ寮の生徒の名前と部屋位は覚えないと…。そう思って、本棚になおした生徒名簿を手に取り、それに目を通した。それには生徒達の個性やテストの成績など記されていた。
ふと、外から話し声が聞こえ、カーテンの隙間から外を覗くと、外に人影があった。外に居たのは、蛙吹さん、麗日さん、八百万さん、緑谷くん、飯田くん、轟くん、そして先程私の部屋にやって来た切島くんの7人。何話してるんだろ…。その様子を部屋の窓から見ていると、突然蛙吹さんが泣き出した。け、喧嘩…!?私は被っていた布団を脱ぎ捨て、慌てて外へと出た。生徒達の元へ辿り着いた私は麗日さんの肩を叩き、書いた文字を皆に見せた。
「(喧嘩はダメだよ!)」
それを見て皆は一瞬驚いた様子だった。
「喧嘩じゃねーから大丈夫だよ!」
「すみません。声、大きかったですわね。」
「ケロケロ。琴葉ちゃん、心配掛けてごめんなさい。喧嘩じゃないのよ。」
「(そうなの?)」
確かに、険悪そうな雰囲気では無い。私の早とちりだったようだ。
「(ごめんなさい、勘違いしちゃったみたい。)」
「心配して来てくれたんだろ?ありがとな。」
そう言って笑う切島くんの笑顔はやっぱり苦手だな、と思ってしまった。