第1章 失った温もり
「はぁっ…はぁっ……はぁっ…」
「…シータや、もう私の事はいいから」
「ぐっ……はぁっ…はぁっ…」
「ほら、巨人が来てしまう。早く、私を置いて逃げなさい。」
「なに…言って……るの…おばあちゃん………置いて行けるわけないでしょ……」
言葉ではそう言いつつも、体力はもう限界を迎えつつあった。
それでも少女は、皆で一緒に逃げようと必死だった。
「ワンッ!ワンッ!ウーッ………」
ルーフがいきなり吠え出した。
ズシン……ズシン……ズシン……
今まで逃げる事に必死で聞こえていなかったが、何か大きな音が聞こえる。
一定の間隔で刻まれるそれは、2人に近づく巨人の足音だった。