第3章 鍛錬のはじまり
上官による通過儀礼が終わる頃にはもう日が暮れはじめていた。
女子寮に戻り、着替えを済ませてミカサと食堂に行くと、エレンを囲んで騒ぎになっていた。
「どのくらい大きいんだ?」
「壁から首を出すぐらいだ…」
「何!?俺は壁を跨いだと聞いたぞ!」
あぁ……巨人の話か。
この騒ぎ、ここにいる多くの人達は、“アレ”を見たことが無いんだ。
私とミカサは顔色一つ変えずにスープを口に運ぶ。
「じゃ、じゃあ普通の巨人は!?」
「うっ……」
エレンを見ると、口を抑えかなり動揺していた。
私は立ち上がる。
「私もエレンと同じトロスト区出身で、巨人を目の当たりにしたけど、……あの恐ろしさは実際に味わった者にしかわからないよ。」
「そ…そうか……」
「思い出したくない事思い出させちまったな…すまん」
「違う…違うぞ……」
エレンはそばにあったパンを掴み、力強く噛みちぎった。