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闇に咲く華

第1章 幼少期


35

先に黒羽を置いて雹牙と客間に案内されたので
お茶を頂きつつお菓子を頬張る。

「何のお話、なんだろうね」
「まぁ大体予想はつく」

あら、そうなの?其れよりもね、天井裏の気配がやたら気になる
昌幸様は忍は人払いしとくって言ってたのに。
どちら様でしょうね

雹牙と目配せしてから、雹牙が一瞬で消え
ダァン!と強い音で雹牙に叩きつけられた。小太郎と同じ年齢くらいの少年?

「おい小僧、昌幸殿は此処に忍の人払いをすると言っていたが?命令違反じゃないのか?」
「っ痛…!何で居るの分かったんだよ!」
「気配が駄々漏れだ未熟者、其の髪の色は猿飛仁助の息子か」

ん?猿飛仁助?聞き慣れない名前に首を傾げたら
此方に凄いスピードでやって来る2つの気配。

黒羽と、黒髪の壮年の忍?誰だろう。

「雹牙!何の音です?」
「佐助!何で此処に居る、人払いの命が出てただろ?弁丸様はどーしたの!」
「うげ親父」

え、佐助?この方はお父様なの?
私が「?」マークを飛ばしまくってるのに気が付いた黒羽が駆け寄ってきて。


「姫様。この者は猿飛仁助、その子供は佐助と言いまして、此処に来る前に少し話したアレです」
「黒羽殿、アレ呼びかい」
「どう説明しようか迷ったもので」

あー、ここに来る前に言ってた問題の人って佐助の事か。またなんで。

「佐助、弁丸様はどうした」
「そんなに怒らなくても、さっき寝ちゃったからこっちに様子を見にきたんだよ、いっでえ!殴るな親父!」
「で?今は誰が弁丸様を見ているんだ?」

仁助さんの言葉に少々ぶすくれて。

「俺様忍だよ?何で子守りなんか…」

ああ、この子は自分が忍なのに子守りをさせられてると思っているのね。
それなら弁丸と多分同じ年か下の私は何よ?
黒羽と雹牙なんて、年齢聞いたら19だってさ。完全に保護者だよね?

ヒヤリとした空気が頬をかすめたので黒羽と雹牙の方を向いたら
おおおお…目が座ってますよ、お兄さん達?

「おい糞餓鬼」
「なーに?"漆黒の翼"殿と"血塗れの氷"殿?」
「っ!佐助バカ者」

何だその中二臭い二つ名。いや、私も結構痛い二つ名だけど。
黒羽が黒い瘴気を漂わせて佐助の顔をガシっと…アイアンクローしながら

「弁丸殿と姫様も同じ年なのですがねえ?」
「そうか、俺達も子守りだな?餓鬼」

ちょ、ちょ、2人して怖いよ?
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