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闇に咲く華

第1章 幼少期


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任務の際に油断してたか、不覚にも傷を多数負い
その内の1つ、傷からの血が止まらずどんどん血の気が失せていく

情けないが動けなくなり木に寄り掛かり、少し気を失なって居ただろうか
近付く気配に気付き目を開けたら、まだ幼い娘が忍を連れて目の前に居た

ここまで近付かれて気付かないとは、余程気を失なっていたのか

忍が俺の視線に気付き娘を引き剥がす、この娘
身分が高いのか

娘の発言を聞いて驚いた、俺を手当てしたい?
里でも此の髪色で周囲の奇異の目に晒され、実力が無ければ鬼子として殺されて居たかも知れない俺を?


娘が俺のすぐ傍まで近付きその場に座り、手当てに使う物だろう。
1つ1つ安全だと言い聞かせるように説明してくる

名を問うた所、今忍達の間で耳にする織田の姫君だった。
嗚呼、だからこの・・・ある里で俺と同じく鬼子と呼ばれていた忍が付いて居るのか

・・・忍が主でもある姫を小突いていいのか?娘は慣れた様子だが。

殺す気は無いと判断し、手当を受けていたらもう1人忍が大急ぎで遣ってきて
この目の色は、もう1人の忍と同じく噂は聞いている。

2人のこの忍は、鬼子と呼ばれながらに強力な力を持っていると
其れを従えるこの娘は只の姫君なのか?

手当てが終わり動けそうかと聞かれたが、血が抜け過ぎたか
少しこの状態で回復を待たぬと動けないと伝えた途端
娘が忍の方を振り返り、何か即座に却下されている?

・・・だから、忍が主を説教するとか・・・色々突っ込みたいが日常なのだろうか。

少し長く言い合いをして忍が折れたが、話の内容を聞いてさらに驚く

俺を、動けるまで相模の近くまで送る!?

何故と問うたら2人の忍は・・・この娘は優しすぎるのだと
聞いて、妙に納得した。見ず知らずの忍の俺を容易に手当てするのだから

この鬼子と呼ばれていた者達も、何も思わず受け入れたと言う。
無知なのか、懐が広いのか測り知れん。
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