第4章 番外編
「あああ、君のお兄さん呼んでくる!」
「あにうえを?」
そうだよ、昴の警戒を一発で解く方居たじゃないか!
ぞるぞると婆娑羅発動してお兄さん召喚!今日非番でしたよね!弟さんが小さくなって困ってます!!
異空間を繋いでお兄さんを引っ張り込んだら、何も映らなかった昴の目に光が灯る。
「麗さん助けて!」
「お市様!?どうされたのですか?」
「…あにうえ?」
「え、もしや、昴??」
さらりとした流れるような亜麻色の髪を靡かせたお美形なお兄さん登場で昴少年がやっと動いた。
かくかくしかじかと事情を話せば、不思議な事があるんですねと麗さんが理解を示しながら片手で昴を招くと、さっきとは打って変わって兄の胸に飛び込む昴に私のハートが痛い。
まあ、黒羽はもう腕の中に居るんですが。麗さんの登場で驚いたのか、私にくっついて様子を見てる雹牙も居るし。
この後、麗さん含め5人で厨でお菓子作ったり夕飯作って振る舞って。
一緒に寝て起きたんですけど、3人のうちの忍は小さい時の記憶を持ったまま大きな姿に戻っておりましたとさ。
「あああああ…小さい身でありながらなんて無礼を姫様に」
「ん?"お姉さんきれいね"って言った事?あと雹牙は何か猫っぽかった」
「忘れて下さい!」「忘れろ!!」
「えええー、可愛かったのに。撫で回したのに!」
「兄上、ほんっと、俺…ほんっとごめん。お市様ごめんなさい…」
「いやあ、懐かしいですね。あんなに小さかった弟がこんなに大きくなったと思うと…」
「昴が今みたいに自分を表現できるようになったって事実が嬉しい」
「いやああああああああ!!」
何と言うか、元に戻ったお兄さん達が恥ずかしさで発狂してました。
私も麗さんも心底楽しんだのですがねー