第4章 番外編
3周年ありがとう企画:忍【幼児化】
どうしましょう、色々予想外ですがニヤける顔が止まりません。
「あの、ここはどこ?」
「ここは安土城って言うのよ?」
「おまえは誰だ」
「市って言うの、一応ここの姫をしているの」
「…」
多分5歳くらい?見た目の黒羽がビクビクしながら私の顔色を窺い、殺気まき散らした雹牙がギロリと睨んでるけど可愛い。抱っこしたら駄目ですか。
昴は…無言でこちらを睨み付けてるけど…
これあれですか、豊臣の武家所属時代。現在のおちゃらけ性格が浮き彫りになる前の忍らしい忍時代ですね…ええと、どうしようか。
警戒してるチビちゃん3人をまず安心させようと、どうしたもんかと首を傾げる。
忍におやつは効きません、黒羽は農民出身だけど母親以外から虐待されてたと聞いているし。
おいで、と両手を広げて声を掛ければ、更に遠くなる3人に苦笑いしか出ない
誰かー助けてー、この子達の身内…はっ丹波さま、は居ないか。
「ここ、おしろ?」
「あ、うん。尾張って国のお城よ」
「お姉ちゃんおひめさまなんだ!きれいだねぇ」
ふああ、と声を上げて目を輝かせてこちらを見てる黒羽少年が可愛くて仕方がありませんね。
にっこり微笑んで手招きすると遠巻きに見てた黒羽が少しずつ近づく、金平糖あるよ?たべる?
「きれい…あまい!」
「ふふ、まだあるよ」
2人でキャッキャウフフしてたら、何か心なしか雹牙少年の顔が呆れた様になってるけど、多分警戒してるのも馬鹿らしくなったのかその場で座り込む。
おいでおいでと手招きすればキョロキョロと周囲を見渡してから一歩離れたとこで座られた。距離が微妙にある…
昴は、と。
ずっと立ったままこちらを見ている昴少年の目には、私を捕えてるけどぼんやりしてると言うか。
「昴」
「なぜぼくの名を?」
「市は、貴方の主を知っているもの」
嘘は言ってないよー元豊臣家武将の方も一応顔知ってたし。今の主は私ですし。
昴の元主の事、もう少しお兄さんに聞いておけば…お兄さん?