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闇に咲く華

第4章 番外編


「昴、そいつは。本当に城下で出会ったのか?」
「はい、菊屋近くでばったり」

そいつの上司、お2人と会う時猫被ってるみたいで、酷い奴ですよっと
自分の仕事を人に擦ってるだけならその仕事こなしてる部下さんの方が有能だと思うんですよね
昼に会った男が言っていた事を思い出しながら、上司から受けてる被害を事細かに報告しながらふと思った。

殆ど面識のない俺に何であいつ、上司から受けてる被害なんて話したんだろう?俺に言えるならこのお2人にも言えるだろうと思って一瞬言葉が詰まる

「そいつ…何で俺にこんな事話したんだろう…」

たまたま城下で鉢合わせしただけなのに。おかしいですねと苦笑いをすれば黒羽さんに背中をポンポンと叩かれて

「お盆だから、という事ですかね?」
「お市様の言っていた話が現実になるとはな」
「へ?」
「仏教で祖先の霊を祀る行事をお盆と言って、あの世から一時的に御霊が現世に戻ると言われているみたいです」
「それと、俺の話が関係してるんですか?」

ふうっと、息を吐きながら黒羽さんは雹牙さんの方を見ると、こくりと頷いた雹牙さんはお市様を起こしておくと消えて行ってしまった

ええ、お市様を起こすとか。俺何かしましたかね。

「昴、貴方が見た2人の忍なのですが」
「あ、はい」

妙に怖い顔で語る黒羽さんの言葉に、目が点になったというか気分が悪くなったのは慣れてないせいです。嘘だと言って欲しい

「部下の男は昴が来る数日前に命を落とし、その上司の男も不可解な謎の死を遂げているんです」

遺体はお市様と一緒に見たと聞いて、血の気が引いたのは言うまでもありません
お市様にはもう憑いてないよと笑われたけど、昼間に話し合った男の小さな笑顔が、暫く脳裏に焼き付いて離れませんでした。
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