第1章 幼少期
毎日「どうしよう・・・」って考えてた時転機が。
織田の当主であった父が亡くなり
歴史とゲーム通りに兄の信長が後を継いだ時。
9つの頃、産まれて初めて兄と対面する事になりました!
いやいやいやいや!今まだ少し若くても魔王ですよ?!
ゲームやアニメ記憶では死んでも復活してた怖い人ですよ!?
「お市様、兄上様がお呼びですよ」
あわわわわと1人百面相してたらついにお呼びががががが
「うん、わかった」
ここはもう腹を括って笑顔で挨拶しよう!第一印象大事!
「上様、市姫がお着きになられました」
襖の前に着き、侍女の方が声を掛けてくれる
「うむ、入れ」
スーハースーハーと密かに深呼吸、子供がする仕草じゃないよねこれ。
「失礼、します」
相変わらずあんまり口に出てきてくれない言葉を紡ぎ
部屋に入り平伏する。
あれ、妹でも平伏するんだよね?と半ばパニくりながら顔を上げて兄・信長と対面する。
とにかく第一印象大事!微笑んで自己紹介をしてみよう!
「初めまして、にいさま、市と申します」
間違えない様に挨拶の後、微笑んでみる。
ここ数年で固まった表情筋よ、しっかりと笑えているだろうか?
と思いながら目の前に居る兄を見つめていたらピクリと片眉が上がったのが見えた。
や ば い ?
何か粗相をしたのだろうか、滑らかに話せないから機嫌を損ねた!?
いやもうコレは多分直らないと思うからソレは勘弁してほしい!
「・・・ごめん、なさい」
思わず俯いて謝ってしまったのは仕方ない
どうしよう、と
このままでは信長のお人形ルートに進行してしまうのか?
ポン
頭の上に、久しぶりに感じる暖かい感触
「フン、何か入用があったらすぐに言うがいい・・・」
撫でられたんだと自覚した私は
兄が、私が受けていた待遇を知っていたみたいで
それを開放してくれたんだと思ったら自然に笑みがこぼれていて
「ありがとう、ございます」
泣きたくなる様な優しい兄の一面を見た。