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闇に咲く華

第4章 番外編


2016クリスマス

「雹牙、昴、少し宜しいですか?」
「はい?」

黒羽に呼ばれ、顔を上げると。きょろきょろと周囲を見渡して部屋に入る。
何かに警戒してると言うか、口の動きで『姫様居ます?』と聞かれ

「信長公の部屋に行ってるが?」
「ああ、そうなのですね」
「どうしたんです?黒羽さん」

ああ、そうか。もうそんな季節なのか。

「クリスマスか」
「ええ、今年は何を贈りましょうか」
「くりすます?」

昴はクリスマスの催しはいまいちピンと来てないのか首を傾げて
まあ、贈り物をする日だ、と納得させる

ぺしぺしと頭を叩くとそのまま頭が地に着いた

「着物は何かありきたりですよね」
「昨年も着物だったな、違う物がいいだろうよ」
「黒羽さん、雹牙さん、港に行ってみませんか?」

港?一瞬何かと思ったら、そうだ、輸入船。異国の物を物色するのもアリか
「あ」と呟いた昴はそのまま部屋から消え。ああ、向こうは昴に任せるか

「信長公から暇を頂いてきます」
「俺は昴の方に行ってから向かう」

頷き、2人でその場から消えた。

南蛮の商人が多く店を出す尾張の城下町。雹牙と昴は先程捕まえた男を引きずる様に連れて歩く。

「雹牙の旦那、今日は何かあるの?」
「お市様に贈る物を探してる、お前も何か考えろ」
「佐助さんの懐事情は分かってるから"買え"とまで言いませんよ」
「昴君が酷い」

「お待たせしました。ああ、やはり佐助でしたか」
「黒羽の旦那、遊びに来たんじゃなくて俺様お仕事だからね?」

そんな目で見ないで、とシクシク泣き始めた佐助を放って、4人で店を見回った。

「姫さんに?反物とかじゃなく?」
「反物は昨年、一式差し上げたので今年は変わった物が良いと」
「本当にお兄さん達の給料いくら!?」

ふと、色とりどりの宝石がちりばめられた銀の髪飾りを手に取り、雹牙は店主に包んでくれと願った

『この銀の装飾品を貰えるか』
『お目が高いねお兄さん』
「え、雹牙の旦那が南蛮語話してる」
「まあ、姫様と居ると色んな言葉覚えまして」
「俺はまだ話せないけどねー。あ、これ良いな」
「俺様そんなお高いの買えない...」

よし、甘味作って姫さんにあげようかな。と意気込む主の友人は。
文を持ってきたのに甘味作って帰ったそうな。
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