• テキストサイズ

闇に咲く華

第4章 番外編


2016ハロウィン:昴

大阪城へのお使いに行っていた昴は
帰り際に竹中様から「帰ったら驚くかもね?」と一言言われ首を傾げた。

何かありましたっけ?そういや俺は大阪に居たからこの時期の尾張は知らないや

帰ったらお市様からご褒美あると良いな
そんな気分で地を蹴り、尾張への道を急ぐ。

すっかり空も暗くなった所で、遠くから安土の城下を見て驚いた

「火?燃えてる?!」

火事かと思って急いで城下町に飛び込んで分かった
南瓜をくり抜いた中に火を灯してるのかぁ

「うわ、俺恥ずかしい…」

黒羽さんと雹牙さんに火事かと思って全速力で帰って来たなんて
言ったら完璧に笑われる。
そこからお市様に伝わって転げる程笑われる。

思って見れば結構酷いよね!俺の上司!!

町の風景、南瓜の料理や、小物を売っている店を軽く眺めていたら
ぐいっと首根っこを掴まれて。

「昴?何をしているんです、お市様に報告は?」
「あれ、兄貴珍しいね」

見目は女より女らしい美しい風貌の兄貴登場。
まだだよ、と答えると兄貴の拳が鳩尾に入る
ちょ、本気馬鹿力兄貴ぃ!

げふげふと鳩尾を擦りながらお市様に報告してきますーっと逃げ…城に入って

「ただいま戻りました」
「おかえり、昴」
「寄り道はダメですよ」
「何でバレたし」

上司の黒羽さんの声に、本人に視線を向けると
…お市様の手作りだろうね、それしか無いものね

「黒羽さんと雹牙さんは何の格好ですか?お市様」
「黒羽は黒猫で雹牙は狼だから白い耳」

尻尾もついてるよーと作った物を見せてくれるの良いんですけどね?

手の付けてない茶色の耳らしき物はなんですかね?
それを見た視線に気づいたお市様はもう満面の笑みで

「昴は茶色の柴犬、そこは譲れません」
「犬かー、ええと、犬?俺の性質が犬って言いたいの?お市様」

異議ありー!と申し立てたい!!凄く!!
/ 334ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp