第4章 番外編
2016雛祭り
「灯りを着けましょぼんぼりに~、お花をあげましょ桃の花~・・・」
何か捻りが無いな。替え歌にするべきか
「灯りを着けましょロウソクに~、お花をあげましょ菊の花~」
五人囃子はお坊さん~♪
と歌ってたら桃の花を片手に持った雹牙に縁起悪いとどつかれた。
「姫様、菱餅で・・・何やってるんですか」
「雹牙さんに怒られました」
このお兄さん最近ツッコミが激しいんですよ
昴も初めて見る雛人形に興味深々で飾りつける
「雛人形を飾った所で行き遅れなのは分かりきってるだろ」
「雹牙さああああああん!?」
「姫様、飾りはこれで良いですか?」
黒羽にどうどうと宥められる市を見て
「ああ、また縁談を握り潰したのかな」と昴は心の中で呟く。
信長公も皆さんも過保護だなとふと思うが。
俺も大概過保護だよな
お市様は1人にすると何するか分からないから。
「姫様、信長公からこれを」
「兄さまから?」
何やら紙に包まれた物を広げて
驚いた。この時代じゃまだ職人すら居ない金平糖
兄さま、これ高いやつや・・・国傾けないで下さいね?
お雛様飾ったし、ちらし寿司作ろう!と厨に走ってった
「ほあー、雛祭りですか。女性の祭り?」
「嫁に行ってない女人の催し物だそうだ」
「嫁に行ってない・・・」
お市様が嫁に行けないのは色々な方からの縁談をことごとく握り潰してる信長公のせいですよね?
安芸の毛利、尼子、大阪の者達の縁談を潰すってどんだけですか。
「あ、姫様。いっぺんに持って来ては危ないですよ」
黒羽さんがお市様の持ってくる器を受け取って俺達に配る
ちらし寿司、こんな豪華なもの食べた事はない。
忍の身だから当たり前だけど
お市様は俺達の知らない、美味い料理をこうして振る舞ってくれる
「たーべよたべよー」
「お市様、凄い豪華ですね」
白酒も用意して嬉しそうに笑うお市様に、自然と笑顔になる
あ、と。
お市様にお酒をつごうとしたら下戸だそうで。
織田に来てから、お市様に色々教えて貰った気がする。