第4章 番外編
2016正月
家族水入らずでお正月
お節、お雑煮、おしるこを用意して食べる準備をしていたら
そろそろと着物に着替えた格好で、手を上げる昴、何かな?
「あ、あの・・・俺達忍も一緒にするのですか?」
「昴、諦めなさい」
「俺達ももう何年も供に食事をし、新年を祝っている」
雹牙の言葉に、カルチャーショックを受けてる昴よ
これは私達の恒例行事ですよ?
黒羽も雹牙も最初は凄いガッチガチだったけど
慣れたものですよね。
「正月と言えば」
元就達と大阪城で一緒に過ごした時があったね。
あの時は嬉しかったなぁと思い出してたら
光秀と兄さまも来たので食べようか
「くくく、昴も以前の黒羽と雹牙と同じ反応をしていらっしゃいますね」
「や、やっぱりそうなんですね・・・」
「でも信長公は賑やかなのがお好きですから、慣れてくださいね」
「・・・はい」
光秀に諭されてガックリと肩を落とす昴を横目に
黒羽も雹牙もゆったり寛ぐ
慣れって恐ろしいねー
兄さまは嬉しそうに昴の頭をわしわし撫でて
皆にお年玉を配って。
ん?何か騒がしいな?
「市ィ、客ぞ」
「え?誰か呼んでたの?」
これはお迎えに行かねばと立ち上がって廊下に出てすぐに誰かに肩を掴まれた
あぶな、激突するとこだった
「お前は、危なっかしいなぁ」
「あれ?晴久?」
周囲を見たら元就、元親、三成、吉継も居て
「うわあっ」
晴久に抱上げられて元居た部屋まで戻された。
「お邪魔します」
「皆よく来たわねぇ」
「信長公、濃姫様、お元気そうで何よりです」
すとんと雹牙のお膝に下ろされて
私の頭はパニックですよ?
「信長公、市に話しておらぬな?」
「是非も無しィ」
「ヒヒヒヒ、市が豆を食らった鳥の様よ」
晴久が雹牙の横に座って、雹牙のお膝に座ってる私の頭を撫で
「信長公からお前が寂しそうだと文が来てな」
「我等が参った訳ぞ」
「えええ、兄さま!?」
皆の、各城のお正月は!?
「ま、気にすんな!」
俺等無くして成り立たねえ訳じゃねえ、そう頭を次々と撫でられて・・・
「・・・兄さま」
「ぬ?」
「ありがとうございます」
そう、素直にお礼を言ったらニイっと笑って下さって
「あ、追加のお料理持ってくる!」
厨に走ってった市を見て
「オッサン本当に市に甘いよな」
元親の呟きにその場に居る全員が頷いた。