第4章 番外編
2015父の日
季節は父の日なんだけど・・・迷ってます
私にとって父って誰だろう?
幽閉されてたのを出してくれた兄さま?それとも・・・
そか、2人に贈ればいいのかな。
父の日に渡す物と、お礼の品を持って兄さまの部屋に行き
「兄さま、いまいい?」
「入れ」
許可がおりたのでお部屋に入ったら。あ、政務してた
兄さまと背中合わせにぴったり座って、手の中にあるものを見る
喜ぶかな、怒られるかな。
「如何した市ぃ」
「ん、あのね」
兄さまと向かい合って座って。手の中にある父の日に贈る物、食べ物なんだけど。
それと、お守りを持ってすっと手を出した
「あのね、市。お父様の事記憶に無いし、ずっと幽閉されてたから・・・」
私にとって、兄さまがお父さん代わりでもなるの、と
俯いてたどたどしく、はっきりと言ってみたら。
・・・沈黙
おそるおそる兄さまを見たら・・・笑ってて
「頂く」と言って受け取って下さって。頭を撫でてくださいました。
受け取ってくれたのが嬉しくて、兄さまに抱きついたら背中を撫でられた。
うん、やっぱ兄さま大好き。
あと残るは1人。
こそこそと自室に向かって、我が忍ズに気付かれない様に気配を消して戻ったら
「姫様?どうし・・・」
「黒羽しーっ」
とっさに黒羽の口を塞いで喋らない様に伝えたらこくこくと
『どうされたんですか?』
『雹牙って今どこ?』
『部屋の奥にて読み物をしていますね』
ちらっと視線を向けると見える雹牙の姿
『内緒ね、内緒』
そう口パクしてそろそろと背後から雹牙に近付いたら
「何してるんだ?お市様」
「ぴゃ、バレた!」
「そんな不振な行動してたらバレるも何も無いだろう」
「・・・ご最もです」
大人しく雹牙の前に座って・・・うーん、お兄ちゃんでもあり・・・父のように叱ってくれる雹牙に
「ごめんね」
「何がだ?」