• テキストサイズ

闇に咲く華

第4章 番外編


2015島左近誕生日記念

三成様と、尾張への用事にくっ付いて行ったら。
えー、三成様だけ謁見なんスか?
俺は来るなって?そんなぁ刑部さんも行っちゃって・・・

「あら、左近くん?」
「へ?姫さん?」

足取り無意識に、織田の姫さんの所まで来ちゃったとか三成様に知られたら殺される!!

「ちょうど良かった、左近くん。これあげる」
「・・・え?」

促されて縁側に座って、渡されたのは。
これよく三成様や刑部さんも食べてる"けえき"?

「"しょくらあと"を使って作ってみたの、今日三成が来たら左近くん連れてきてってお願いしたの」

あ、だから三成様は謁見に来るなって・・・

姫さんがお菓子の乗せた皿をくれて、一口食べてみる。
これがあのにっがい"しょくらあと"!?甘くて、何だか優しい味

三成様、俺の為にこれを・・・!

「私がじゃなくて、市が用意したものだがな」
「み、三成様!?」

何で姫さんの後ろ側の部屋から出て来たんスか?!
姫さんが縁側に座ってる俺の目線に合わせて微笑む

「左近くん、今日はね。左近くんの誕生日でしょ?」
「俺が、生まれた日ッスか?」
「うん、市は毎年。誰かの誕生日にお菓子を作るの」

なん・・・で?俺の誕生日なんて祝う事じゃないっしょ?

微笑んで、嬉しそうに言う姫さんに開いた口が塞がらなくて
俺、三成様に会うまで死ぬ事しか考えてなかったのに・・・

「ヒヒヒヒ、市に祝われるとは羨ましき事よ」
「刑部さん・・・」

織田の傘下だけど、豊臣に来て。毎日三成様や竹中さんに怒られて
秀吉様にも、信長様にも会わせて貰えないのに。

"けえき"を一口、また一口と食べると。

甘い味がお菓子がまた美味くて。ポロリと一つ、涙が零れた。

「ふふ、左近くんこっち向いて」
「?」

姫さんの言葉に振り返ったら。白い、綺麗な指で零れた涙をすくわれて
改めて、俺・・・嬉しいんだと実感した。

姫さん、俺なんかに。綺麗に笑うんすね・・・
/ 334ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp