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闇に咲く華

第4章 番外編


2015夏企画

「兄さま、兄さま」
「如何した市ぃ」

この暑い夏の時期に、兄さまに硝子職人、または輸入した要らない硝子・・・ギヤマンがあるかと聞いた所。
ギヤマンはあると聞いて喜んだけど、職人は少ないそうです。

「兄さま、要らないギヤマンってある?」

割れたりとか、欠けたり、とか使う用途の無いものが無いか聞いたらドッサリ出てきて
わあいと喜んで。

「市ィ、何かする気か」
「えっとね・・・」

筆に墨を含ませて、こんな物が作りたいですと図解してみたら
兄さまがニヤリと笑って。お、この顔はOKって事ですね!?

何を作るのかと言うと、この暑い時期に欠かせない。
江戸時代から始まった風鈴を、職人さんに作ってもらおうと計画を練っております。

きっと普通に売っても売れると思うよ?と提案したら頭を撫でられた。
まあ、私は自分の分が欲しいだけなんだけど

鉄製だとお値段が高いと思うので要らなくなったギヤマンに賭けてみたら大当たりでした

職人さんの所へ行ったら実は結構通ってるので
「おやおや、姫様。また何か面白い物でも作るのかい?」っていう態度で
気安くて職人さんの皆さん優しいんですよー
私が毎回変なもの注文するから・・・ははは・・・否定できません。

チャレンジ精神が湧くんだそうです、流石職人。

今回も図解して、風が吹いたら中の棒の硝子が縁に当たって良い音がするんだよって
説明してたら滾ったそうです。わお、職人魂ですね。

それから数日後に、やりきった!という顔の職人さんが笑顔で迎えてくれて。
出来上がった風鈴を見せてもらったら。バッチリです!

「姫さん、その風鈴?てやつはどう使うんだい?」
「これね、暑い時期に風が吹くと、綺麗な音が出て涼しげな気分に、なれるのよ?」

ふうっと息を吹きかけて、棒の所に結んだ和紙が揺れると

チリー・・・ン

「へえー、良い音だね」
「でしょ?」

売るんなら色着けて売るといいよーって言ったらわははと笑われて

「また姫さんの発案かい?これは人気が出そうだね」

いえい、ついでに商業用の製作権もGETしたぜ。
売り上げは規定に沿って城に出してくださいね。

城に帰って、義姉さまと兄さま、光秀に見せたら喜んでくれて。

「此れが、風鈴ですか」

チリー・・・ン

「涼しげな音だな」

我が兄上ズにも好評です。
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