第2章 本編1〜70
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「よく来たな市姫」
「孫市ー!!」
昔、雑賀衆の先代さんが小さかったさやかちゃんと一緒に兄さまの所遊びに来た事がありまして。さやかちゃん改め、孫市とも地味に交流があったのですよね。
先代さまが引退し、さやかちゃんが雑賀衆を引き継いでからも遊びに来てるみたいなので、孫市は偶に顔を出す感じで地味に関係はあったのです。
久しぶりと飛び付けば孫市の視線が昴に向いていて、ああっ初めて見たっけ?新しい家族だよと紹介すれば相変わらずだなと頭を撫でられた。色々放って置けなかったんですよう。
昴は炎の婆娑羅で、銃を使うのだと説明すれば「だから来たのか」と返ってきた。うう、孫市は聡明な女性なので察してくれるって凄いと思う。元就も頭が良すぎな故にとっても鋭いので「これがツーカーと言うものか!」と衝撃があったものだ。
今日は確かに昴の事もあるけど本題は別でして。
孫市のお家に上がれば雑賀衆の方からお茶を頂き。私は手土産としてお菓子作って来たんでお渡しした。
「さて市姫。火薬を使いたいのだったな」
「ええと……」
とりあえず試作に試作を重ねて和紙を何百枚と重ねて作った直径30cm程の玉を婆娑羅で出せば「何処に仕舞っているんだ」と雹牙の冷静なツッコミを食らった。いやあ、意外と収納に便利で。これ。
「この尺玉に丸くした火薬を詰めて打ち上げたいです」
「随分大きいな。和紙を重ねたのか…火薬を?」
「これを半分に切ってからこう、色の違う火薬を詰めて空で爆発させる感じ?」
「ああ、火薬に調合によって色の変化は出せるかもしれないな」
あ、良かった。やっぱそこら辺は専門家の方が詳しいよね。
あい。お分かりかと思いますが花火です。
狼煙や大砲とかでお祝い事をする国があるけど、日本の花火の歴史は定かじゃないし、今私が生きている現在は無かったので相談してみたんだけど。
既に金属等を加えて炎色反応させる実験はしてた。火薬が渡ったと同時に調べたらしい。
話が早くて助かりますと頭を下げれば、私は作ったやつを見て更に改良できる点があれば言って欲しいんだそうです。
あれ、急に未来で打ち上げられてる物に鬼改造させられそうなのは気の所為でしょうか。
ただ打ち上げて花が咲く物じゃなく。色んな色を使った超高度なやつって出来るんだろうか??ナイアガラとか。