第2章 本編1〜70
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「ふっかーつ」
2日寝込んでやっとスッキリ風邪が治りました。
着込んでた着物脱いでたらスパンと元就に扇子で叩かれた。
んな、目の前で流石に全部脱がないってば
そこまで女辞めてません。
「男の前で如何様でも脱ぐ事自体問題ぞ」
「何でだろうねー、過剰に反応し過ぎじゃないのかな」
「・・・」
おっと、元就はともかく晴久にもジト目で見られたからさっさとお風呂借りて!
雹牙を護衛に行ってきまーす。
バタバタバタと忙しなく居なくなった想い人を見送って
「あ奴はどう言う感覚で居るのやら・・・」
「こっちの心臓が持たねえ・・・」
まあ、そう言う感覚の今の時代より無い未来の者ですからねと
死んでも口に出せずに心で思う黒羽に
昴は黙々と着物の片付けと布団を干しに掛かって居た
ざぶーっと湯に浸かる市の気配を感じる所に移動した雹牙は
「ふいー、極楽」
「どこのオヤジだ」
他愛もない会話を交わしながら
今日はもう1泊して詫びに料理を振る舞い
明日から尾張に向かうかと予定を立てた。
「兄さまに心配掛けちゃったかな」
「私が報告に戻った時、多少動揺してらっしゃいましたね」
信長公が動揺するとか想像も出来ないと
友人2人は顔をしかめて首を横に振った。
「信長公が笑うとか人間の表情すんのかよ」
「失敬な晴久。兄さま優しいよ?地味に表情出すよ?」
「想像できねえ。痛ってえ!」
「天誅!」
とりあえず鳩尾に拳入れといた。
ヒトの兄さまを何だと思っておるのじゃ。