第2章 本編1〜70
58
「お市様!お市様!」
「はいはい、なあに?」
宗麟ちゃんのテンションはMAXのようで。
ぴょこぴょこ跳ねては私に抱き着く日々・・・
いやもう少し宗麟ちゃん落ち着こうか
まるで私がお母さんの様です、きみ元服してるんだからね?
めっと嗜めるとえへへと笑って。
そこ笑うとこかい開き直っておるな?
「お市様、僕がもっと立派になったらお嫁に来て下さい!」
「宗麟ちゃん、その頃市は行き遅れ満載なので止めた方がいいぞう?」
貰ってくれるって言って暮れただけで充分だと宗麟ちゃんの頭を撫でると
少しむすっと、何か閃いた顔をしたのを知らぬまま
ご飯できたぞーと5人分持ってって貰って
ザビーさんの好きな洋食ですよん。
「あ、宗麟ちゃん」
「はい、お市様」
明日、島津までお芋のお礼に行ってくるねと伝えるとこくりと頷く宗麟ちゃんは
後日、友人達を巻き込んでとんでもない事起こすなんて
これっぽっちも思いませんでした。
明日から島津にお邪魔せねば
お土産はお酒のツマミになりそうな物を作って持ってくか。
島津、島津、何があったかな
私が作れそうな材料伝わってるのかね?
寝る前の客間の中
先触れで黒羽にお手紙を持ってって貰い・・・ん?
「お市様?」
「どうしたー?宗麟ちゃん」
ぎゅうっと抱き付かれて、君はもう大人でしょうに
「・・・っよし!」
「うん?」
今日からお市様が居ても1人で眠ります!と威勢の良い声で部屋から出ていって
今日も一緒に寝るのかと思ってたのでちょっとビックリ
大人になったなぁと背を見送った。