第2章 本編1〜70
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元就の城に滞在してたら晴久が遊びに来て元就にシバかれてた。
国主がほいほい出歩くな!って。
それ元親にも言って欲しいです、頻繁に珍しい物見せに来るんですよ
安土城まで。
嬉しいけど政務ちゃんとしてる?
晴久は元就の義兄弟だし愛の鞭だって分かってるので助けてあげません。
伸された晴久の背中にぴたーっとくっついて
久し振りの晴久だぁ。
「お前な、少しは助けろ」
「愛の鞭だって知ってるから、市は口出ししません」
「先触れはしたんだぞ?」
「…そなの?」
後ろで寛いでる忍3人を見るとこくりと頷いて
「元就の愛だね!」
「あんな痛い愛なんざ御免だね」
あ、晴久不貞腐れた。
晴久とこの城に居るとあれだね、宗麟ちゃん事件を思い出す。
サンデー化した元就、本当にどうなるか解んなかった。
今でも宗麟ちゃんに会ったらサンデー化するんじゃないかヒヤヒヤだもの
この戦国の世でザビー教無いの本当に安心した。
ぐりぐりと晴久に甘えてたら
スタンと部屋の襖が開いて、仕事の終わった元就は私達を見るなり
「其方達は何をしている」
「市にくっつかれてる」
「晴久にくっついてるー」
にへら~と笑って答えたらぺちんと額を叩かれた。愛が痛い。
あ、そだ。
「今日は猪のお鍋です」
「先日昴が捕ってきたアレか」
「…昴、お前ここに来て何してんだよ」
えへへー、と笑って誤魔化す昴の頭に雹牙の拳骨が落ちて
痛みで昴はその場で悶える。
元就と神楽さんにもこってり絞られたものね
「大坂で捕まってた時こんな性格してたか?」
「誰の影響かは大体予想はつくであろう」
「皆して何で市を見るかな」
ええい、私だって自覚してるよ!
まさかこんな元気に性格改善されると思わなかったもん!
元気?通り越してもうチャラいんだもの昴くん。
「虐め?俺虐められてる!?」
「少しは大人しくなさいと言ってるんです」
「いったぁ!?」
「これも愛の鞭ですからね」
うん、黒羽さんもうちょっと優しくしようか
お兄さん2人掛かりで説教とか私も勘弁して欲しいもの。
部屋の隅でイジイジいじけ始めたので
昴の頭を撫でるとがばーっと抱き着いて来た
君はわんこか!
「身分をわきまえろ!」
「身分をわきまえなさい!」
「…ごめんなさい、つい」
お兄さんズの拳を食らってた
うん、ちょっと落ち着こうか昴くん