第2章 本編1〜70
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幸村が昴の婆娑羅の特訓、と思ったんだけど
あ、こりゃだめだ、開始直後に思った。
「婆娑羅の制御は、気合いでござらあああああ!!」
「ええええええ!?」
「旦那!?もう少しマシに説明してあげて!」
昴が全力で幸村の槍さばきを避けて
顔が真っ青ですね!
ちょ、いくら何でもこれは昴の命の危機!!
止めようとしたら、ガシっと
黒羽と雹牙に止められた
「ちょおおお、昴死んじゃうううう」
「はいはい、姫様は心配性なんですから」
「獅子は子を崖から蹴落とす、とも言うだろう」
「獅子はまだ日本に居ないのに何故知ってるのお兄さん!」
私いつ言ったっけ!?
兎に角、昴を助けさせてと言ったらお膝の上に座らされ
後ろを向かされた
「お市様は見ない方が良いな」
「いや、音。音でどんな惨状か分かるからね!?」
「姫様、心配し過ぎですよ」
「すばるうううう!」
雹牙に抱き締められた状態で黒羽に頭を撫でられて
私だけ後ろ向いてるから状況がわかんないです。
うおおおんと半泣きで、音と声にびびってたら
「お、昴が炎に慣れたか、反撃し始めたな」
「自分の婆娑羅も出せてますね」
ちょ、今良い所?見たいんだけど
「お兄さん、お兄さん。市も見たい」
ぺしぺしと肩を叩いて催促したら、くるっと回転させられた。
まあ、見える様になったけど
頭の上に雹牙の顎が乗って微妙に痛い。
昴は、と。
おお、婆娑羅で銃が無限に使えるようになってる。
しかももう片方の手に忍刀を持ち、婆娑羅を纏わせて少しだけど反撃してる