第2章 本編1〜70
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翌日から、家族になった昴への。鬼コーチからの特訓が始まりました。
婆娑羅の属性は、身近に居ない炎でビックリ~。
持ってたんだけど、元主には隠して仕えてたらしくて、使い方が中途半端。
ううむ、コントロールが利かないのか。
誰か炎属性は・・・あ、義姉さまが炎だった
会合はもう撤収して私も尾張なのですよ。
昴も婆娑羅者だからか黒羽と雹牙の体術に食らいつく
「3人とも、そろそろ休憩」
「あ、はい!」
「「了解」」
3人分のお茶とお菓子を出したら
今までこんな対応をされた事の無い昴が狼狽えて。
ってかウチの黒羽と雹牙が開き直って寛ぎ過ぎなんだってば
佇まいがもう家に居座って寛ぐ猫。
いや、原因私なんだけどさ・・・
黒羽がお茶を淹れるのを手伝ってくれたので
私は作ったお菓子を4人分用意して大きい深皿に纏めて
4人で座る、中央部分に置いた。今日はクッキーですよ。
やっぱり見たこと無い食べ物だからか
昴が恐る恐る手を伸ばし、口に運ぶ。ぽりぽりと食べるの可愛いな。
身長が私よりもあるからでっかいワンコみたい。
「お味はいかが?」
「あ、美味しいです」
「良かった」
にこりと笑って、美味しいって言われると嬉しいなぁとしみじみ思ってたら
昴の顔が赤くなって、ふいと目を逸らされた。およ?
「姫様、可愛がるのも良いですが程々に」
「えー、何で?」
「無自覚大魔王め・・・」
でっかいワンコな昴に抱き着いて愛でてるだけですよ?
弟かな?と思ったら1つ年上でした!
くそう、3人してイケメンなんだから。
と言うかこの世界ではイケメンしか居ないのか!?
ふと近付く気配に昴から離れ様子を見てたら
スッと襖が開かれると同時に
「失礼します、お市様」
「光秀どうしたの?」
珍しい訪問者に驚きだ。
くすくすと笑って、普通で居ると光秀も綺麗な顔してるのに。
「昴、帰蝶がお呼びですよ」
「婆娑羅の稽古?」
私まだ報告してないよね、と首を傾げたら
兄さまとの顔合わせの時に義姉さまが見抜いていたそうだ。わお。
「同じ属性でしか分からぬ部分もあるだろうと仰っていましたよ」
「分かった、直ぐ行くね」
「では私はこれで」
突然の光秀と義姉さまの呼び出しに昴は青くなった
いや、食べられないから安心して下さい、私も行くから
さっさとお茶を飲んで、義姉さまの部屋に向かった。