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闇に咲く華

第2章 本編1〜70


41

次の日会ったのは、まだ若い忍。
大体16~18くらいかな?

私の隣に黒羽が着いて、忍の横には雹牙。
友人たちは私の後ろに控えて、話は聞いたみたいで三成も大人しい。

豊臣夫妻と竹中さまは忍の後ろに居る感じ。

「貴方のお名前、教えてくれる?」

そう聞くと少し狼狽え

「昴と申します」
「お市様、先に話した毒を盛るように指示した賊の家に伝わる忍だそうだ」
「ふうん」

雹牙の説明に頷いて、なるなる。
大阪城の忍衆の者じゃなかったんだね

「もう俺を命ずる主も消えました。首を斬るなりなさって下さい」

ああ、この子は生粋の忍として育てられたのね。
小太郎は小さい頃に会ったから今は味方に着いてくれてるけど。

昴くんに近付き、処分されると思っているのか目を瞑ったので。
思いっきり抱き締め、頭を撫でた。

「えっ、あ、あの」
「んー、昴くん可愛いねえ」

チラッと雹牙を見たら「やると思った」って顔されたけど知らんわい。

竹中さまも豊臣さまも、ねねさまも笑ってるので
オッケーですよね。

「尾張においで昴。一緒に色んな物を市達と見ていこう?」
「ですが俺は…」
「誰も被害にあってないから大丈夫」

そう言えば横から拳骨が飛んできた

「お市様が被害にあっただろう。阿呆か!」
「お兄ちゃん痛いです」

私達のやり取りに昴が目を見開く

「あの、お市様の忍ですよね?」
「うん、市の家族」

忍らしからぬ雹牙の行動にただただ驚く昴がちょっと可愛くて

「市の家族になってくれる?」

そうだな君のポジションは弟だ。
抱き締めてぐりぐりと癒されてたら竹中さま達が大笑いしてて

「あははは!市姫らしいね」
「ふふふ」
「うむ」

竹中さまからお許しが出たね、とにっこり笑ったら昴が顔を赤くし

「これは俺の償いです、お市様のお心のままに」

私の前に跪いて忍の忠誠を誓う所なんて初めて見た。

「宜しくね」

イケメンな弟が出来ました。ってあれ?

「昴って婆娑羅者?」
「え、あ。よく解りましたね?」
「気配?感じがちょっと普通の子と違う」

珍しいな、髪の色が違うのかな?
頭巾を脱いで貰ったら…あら、少し色が違う

「うん、綺麗な茶髪」

そう言ってわしわしと撫でたら困った様な顔をされ

「ありがとう…ございます…」

彼の茶色い瞳が揺れていたので、抱き締めて背中を撫でた。
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