第2章 本編1〜70
40
ん、私は確か・・・
皆の分のお茶に毒が入ってたのに気付いて。
目を開けたら小太郎がせっせと私の汗を拭いつつ手拭いを頭の上に乗せてくれてた
「小太郎?」
「(意識が戻ったか)」
ほうっと心配させたか、溜め息を吐いた小太郎を見て
犯人は捕まったのだろうかと周囲を見渡すと
思わず噴き出しそうになった
皆座って寝てるんだもん。
「(身体に異常は無いか?毒はトリカブトだと賊は言っていたが)」
「ん、大丈夫。解毒剤飲んだし」
大分毒で汗かいたんだなと寝間着を摘まんで
他の症状は感じないので、抜けたんだなと一息ついた。
「ん、市?・・・気が付いたか」
「大丈夫よ、三成」
私が動く気配で起きたのか、まだ寝惚けてる三成の手が伸びて頬を撫でる
「良かった」
「うん」
ご心配お掛けしました。と言ったら頭を撫でられて。
取り合えず皆起こそうか。
婆娑羅でトントンと軽く叩くと、各々目を覚まして
「おはよ」
笑って「おきたー?」と言ったら
元就、晴久達に思いっきり溜め息を吐かれて。
「はー、本当に其方は・・・」
「目ぇ覚めないかと思った・・・」
「もう、平気」
そう言えば
「小太郎はいつの間に?」
「(通り掛かったら雹牙に捕まった)」
それってどうなの伝説の忍よ。
雹牙も捕まえてからパシらせたんでしょ、鬼か。
ふと、いつもなら拳骨の1つでも飛んできて説教を始める黒羽と雹牙は?と
周囲を見渡しても居ない・・・?
「(黒羽と雹牙か?)」
「うん・・・」
少ししょんぼりして、俯くと
背後に2つの気配が現れ、振り向いたら
「姫様、お待たせしました」
「遅くなってすまんな、お市様」
うん、寂しかったと抱き着いたら頭を撫でられて
やっぱり、お兄ちゃんが居ないと調子出ないなぁ
竹中さまが様子見に来るまで
目一杯甘え倒した
今回は毒に先に気付いたからと、お叱りは無いそうです。
「姫様、明日、会って頂きたい者がおりまして」
「? うん」
誰か来たのかな?と能天気にOKの返事を出した。