第2章 本編1〜70
2人は床に転がって、猿轡を噛まされ縛られてる忍と老将を睨み付けた。
「目的は地位、ではなさそうですね」
「黒羽、雹牙ここは我等に任せておけ」
「・・・ちっ」
渋々、竹中と元就の後ろに下がり。
諦めたのか抵抗無く動く忍と
未だ諦めて無いのか抵抗する老将の猿轡を取る
「たっ竹中、様!どうか命ばかりは!」
「言い訳は聞かないよ、そこの君。この男に命じられて僕達のお茶に毒を入れたのかい?」
無抵抗の忍に問うと、こくりと頷き
「な!なにを出鱈目な!草の分際で!ヒィ!?」
「聞き捨て成らぬ言葉よ、市が聞けば憤慨するであろうな」
元就が老将を足蹴にし、黙らせた所で
捕らえられた忍が驚いて目を見開いている。
「ああ、僕達は忍を草扱いしないから。そんな事したら市姫に怒られてしまう」
「市はお人好し故、忍も我等も同等に扱うからな」
そう言う2人に、観念したのか今まで無言だった忍が白状し始めた。
自分はこの老将の家に伝わる忍で、老将は常日頃から竹中を妬み秀吉に悪態をつき不満を漏らして居たと。
「大谷殿や石田殿も妬む様になり、各国の大名が集まり会合を開く度に安定していく世に不満を覚え、その元凶となった尾張の姫君もろとも葬ろうと」
「成程、もう1人の老将も君が?」
「はい、命じられたので」
これで全部です、と首を差し出す忍に待ったを掛けて。
「ま、君は市姫に直に会ってみてよ。黒羽君、雹牙君。屠る敵はそこの老害」
「「御意」」
「加減はするな」
目をギラつかせて老将を連れてった2人の様子からして
あれも録な死に方をしないだろうと思いつつ
「風魔君、そこの忍君の枷、外してあげて」
「(分かった)」
「あの、俺は・・・」
混乱する若い忍の頭をポンポンと叩き
「其方を罰するのは市ぞ、神楽、その様に馬鹿どもに伝えて来い」
「御意」
のんびりと、神楽が向かう
市の眠る部屋に向かった。