第2章 本編1〜70
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奥州の冬は普通の忍服じゃ寒かろうと
首もとを隠すマント風にしてみた。
時雨さんに着方を教えながら着せて、うん。完成
「着心地いかが?」
「動きずらそうと思いましたが、動きやすいです」
「良かった」
「時雨兄ちゃん格好いいべ」
「いつき、ありがとな」
庭に降りてみてバク転やら軽く身体を動かしてる所で
政務を終わらせたのかほんのりゲッソリした政宗が小十郎さんを連れてやって来た。
時雨さんの装束を見るやひゅうと口笛を吹いて。
「Coolじゃねえか、時雨。格好いいな!」
「政宗様、ありがとうございます」
「ほう、思ったよりもずっと良いな」
小十郎さん、私そんなにセンスは悪い方だと思って無いんですが。
どんなの想像してたんじゃい。
黒羽と雹牙が降りて来て。
「時雨殿、少し身体を動かしてみますか?」
「忝い、宜しくお願い致します」
2人が構え、組手が始まった。
「首元のものは防寒対策か?」
「うん、あれで暗器も隠せるよ」
雹牙の問いに答えたあと
「2人にも冬用に作っとく?」
「時間がある時でいい、ありがとな」
ぽすぽすと頭を軽く撫でられて。まあ、まだ冬には遠いしね
くいっと袖を引っ張られて、ん?いつきちゃんが嬉しそうに
「市姉ちゃん、時雨兄ちゃんかっこよくなっただな」
ありがとさん、と可愛いお礼を言われて
ぎゅむーっと抱き締めたらあわあわして癒しです。
いつきちゃん可愛い。
「お前、いつき本当に大好きだな」
「このまま尾張に居て・・・」
「オイ」
可愛いは正義だよ?尾張にも癒しが欲しいです。
「お市様、政宗、後で信長公の所に」
「ん、わかった」
「Ah?何かあったか?」
「何、大した用事じゃない」
そういや呼ばれてたっけね。
時雨さんの組手が終わった様なので
埃を払って貰ってから忍3人は天井裏に上がり
私達も正装に着替えて
兄さまの所に向かった。
今時期兄さまに呼ばれる事あったっけな?
うんうんと考えてたら光秀も合流して
何だか不思議な面子で兄さまの所へ向かった。
んー、考えても答えが出ない。